日本脳炎ワクチン三期接種中止
厚生労働省は、平成17年7月29日、日本脳炎に係る定期の予防接種の第Ⅲ期予防接種(14歳以上16歳未満の者)を廃止すると発表しました。
(施行日:公布の日/平成17年7月29日)
従って、日本脳炎ワクチン予防接種三期は今後受けなくてよいことになりました。
日本脳炎ワクチン三期接種中止
厚生労働省は、平成17年7月29日、日本脳炎に係る定期の予防接種の第Ⅲ期予防接種(14歳以上16歳未満の者)を廃止すると発表しました。
(施行日:公布の日/平成17年7月29日)
従って、日本脳炎ワクチン予防接種三期は今後受けなくてよいことになりました。
日本脳炎ワクチン接種中止
日本脳炎ワクチン接種後に急性散在性脳脊髄炎が、平成3年以降14例(うち重症が5例)見られました。今回、人工呼吸器を使用しなければならない重症の患者が出たので実質的には中止となりました。現在の日本脳炎ワクチンは、マウスの脳を使用しており、マウス脳を使用しない新しいワクチンが出来る(約1年くらい?)まで、希望者のみ従来通り公費で受けることが出来ます。
新ワクチンを待っていたら、接種期限が切れる人は保健所に問い合わせて下さい。
急性散在性脳脊髄炎とは
ウイルスの感染後あるいはワクチン接種後に、稀に発生する脳神経系の病気です。ワクチン接種後の場合は、通常接種後数日から2週間程度で発熱、頭痛、けいれん、意識障害、運動障害等の症状があらわれます。
ステロイド剤などの治療により完全に回復する例が多いが、運動障害など神経系の後遺症が10%程度あるといわれています。
日本脳炎ワクチンによる急性散在性能脊髄炎の発症率は
現行の日本脳炎ワクチン接種後に発症する危険性は、大体70~200万回に1回と考えられています。
山や川に行くときは長袖・長ズボン
発病者は年間10人以内。しかし毎年有毒蚊は出現しており、ワクチン接種をやめると発症者が増えると考えられます。
山や川、キャンプなどに行くときは、蚊に刺されないように注意することが重要です。長袖・長ズボンがよい。
日本は衛生状態がよく、有毒蚊は少ないが、東南アジアにも日本脳炎は多く注意が必要です。
日本脳炎はどんな病気
6~16日間の潜伏期間の後に、数日間の高熱、頭痛、嘔吐などで発病し、引き続き急激に、光への過敏症、意識障害、神経系障害を生じます。死亡率は約15%、てんかん、知能障害、麻痺などの後遺症が多い。
広島県福山市特別養護老人ホームで6名が死亡
このニュースでパニックになっている保育園や幼稚園があります。当院外来でも、下痢のこどものお母さんが大変心配そうに「ノロウィルスではないでしょうか」ときくようになりました。
ノロウィルス感染による嘔吐下痢症は多くは軽症で、死ぬことは滅多にありません。今冬、嘔吐下痢症は多いですが、こどもで死んだという話は聞きません。米国での死亡率は10万人に1人ということです。
食品を媒介とする食中毒
貝類を生で食べると感染します。こども・老人には生ガキを食べさしてはいけません。人から人へ感染もするようです。接触感染(便や吐物を触った手指から経口感染)するので注意が必要です。
この数年に250件前後、約1万人の報告あり、決して少なくありません。ウィルスの検出ができるようになったので今後はもっと増えるでしょう。現在は、保険がきかないので検査料は高額(12000円くらい)です。
症状は嘔吐、下痢などで、ひどければ脱水になるでしょう。症状が治まっても2-3日は感染するようです。感染すると抗体ができるが、6-8ヶ月で消えるので何度も感染する可能性があるそうです。
消毒方法
アルコールには強く、逆性石けんは無効です。85度以上、1分以上で不活化します。
次亜塩素酸ナトリウム(ミルトンなど)に浸すと失活します。
予防は手洗い
石けんでよく手を洗うことが重要です。タオルを共用しないようにしましょう。吐物は、素手で触らないで、塩素系消毒薬を薄めて拭き取る必要があります。下痢や嘔吐などの症状のある調理従事者は、食品を取り扱わないようにしましょう
以下の記事は、すでに変更されています。ご留意ください。2017年現在は、5ヶ月から12ヶ月にBCG接種をしています。
平成17年4月1日から、BCG接種対象者が6ヶ月未満になります。ツベルクリン反応を廃止して、BCGを直接接種します。
従来は4才未満でしたが6ヶ月未満になりますから、ご注意下さい。6ヶ月以上の子どもさんはBCG接種を受けることができなくなります。
平成17年3月31日までは、4才未満のこどもさんはツベルクリン反応後、陰性者にBCG接種を受けることができます。
4才未満のお子さんで、まだBCG接種を受けていない方は、できるだけ早めに受けましょう。
詳細は、中保健センター 073-433-2261
南保健センター 073-447-0310
西保健センター 073-455-4181
に、お問い合わせ下さい。
思わぬ感染源
私の経験上、小児の食中毒はカンピロバクター、サルモネラ、病原性大腸菌によるものが多い。しかも年中起こることも特徴的です。
食中毒は冷凍・冷蔵庫のなかった昔と異なり、思わぬところから起こります。まず、食中毒で来院した患者さんは、原因として思い当たることがない人がほとんどです。
数十年も前は、シラスとかアイスクリーム、水や氷などからの感染が多いと言われていました。殺菌技術や冷凍技術が発達した今日では、これらからの感染はまず考えられません。
肉の表面に菌が付着
近年の感染源食品は、上記三種の菌では肉、卵です。牛肉、豚肉、鶏肉のいずれからも感染します。生野菜も感染源になります。注意すべきは、卵です。卵の殻はもちろん、卵の中にも菌がいることが分かっています。鶏の卵は、腸管を通って出てきます。鶏の卵巣にまで菌が逆流しているためだと思われます。幼児に生卵は食べさせない方がよい。
肉の表面には菌が付着していると考えて調理してください。実際、肉の30%くらいには病原菌が証明されると言われています。乳幼児には生まものは危険です。
生肉は食べない
肉や卵を生で食べてはいけません。肉の刺身やたたきは危険です。生肉は条虫(サナダムシ)の幼虫が含まれていることがあります。生肉は食べない方が安全です。冷凍しても菌は死滅しません。増殖はしませんが。ですから、しっかり加熱しないと感染します。ハンバーグは肉をミンチにしますから、ハンバーグの中心まで加熱しないと菌が生きています。ハンバーグによる食中毒は多い。
調理器や手が感染源
もう一つ、調理器、まな板、包丁、手などに付着している菌が、おひたしや豆腐に付着して感染することが考えられます。調理器や手の清潔、消毒に注意して欲しい。包丁の刃の根本なども気を付けて洗いましょう。肉を触ったら手洗いを十分に。
いまだに、ワクチンは危険だから受けるべきでないという人たちがいます。小児科医の中にもおられることは事実です。確かに、ワクチン接種によって脳炎などの重い病気になり後遺症状に苦しむ方がおられます。
しかし、たとえばマシンワクチン接種をやめると、マシン脳炎、肺炎は一挙に増えることは確実です。麻疹で死亡する子供も年間数百人となるでしょう。
昭和49年、百日咳ワクチン(三種混合ワクチン)による死亡者があり、ワクチン接種を中止したところ、百日咳に罹患する子供が急増しました。それまで年間2~6人程度だったのが、年間20人から41人も死亡することになりました。死亡しなくても、百日咳脳症で後遺症を残した子供も多数います。
ワクチンによる副作用は減らさなければなりませんが、接種をやめると犠牲者が増えることは確実です。その後百日咳ワクチンは改良され、以後死亡者はなくなりました。現在のジフテリア・百日咳・破傷風ワクチンは非常に安全なワクチンです。怖がらずに受けた方がよいと思います。
予防接種法に決められたワクチンはおすすめで、受けておいた方がよい。
1歳になったら、はしかワクチンを受けましょう。はしかは今でも年に80人くらい死亡している怖い病気です。気管支炎、肺炎、脳炎なども起こします。おすすめ年齢が改定され、1才から1才3ヶ月に変わりました。はしかワクチンは、発熱・発疹などの副反応がありますが、危険なワクチンではありません。他のワクチンに比して、発熱は多い。熱性けいれんを起こしやすい子供は抗けいれん剤(ジアゼパム)を準備しておけばよいでしょう。
乳児でもインフルエンザワクチンを接種できます。
6ヶ月未満の乳児は母親からの移行抗体(免疫)が残っているのでしなくてもよいと考えられます。6ヶ月未満の乳児でも、希望すれば接種可能です。
乳児へのインフルエンザワクチンの効果については、無効、有効の報告があります。幼児・学童より効果が劣ると考えられています。
なぜ毎年するのですか。
インフルエンザウイルスは毎年少しずつ性質を変化させて流行するからです。また、インフルエンザワクチンの効果はだいたい半年くらいですから、毎年する必要があります。
インフルエンザワクチンの効果はどれくらいの間隔がよいですか。
1回目と2回目の間隔は4週間くらいがもっともよく免疫ができます。急ぐときは8日間隔でもよいことになっています。
インフルエンザワクチンは1回接種でも効果がありますか。
過去に罹患したことのあるインフルエンザウイルスの型が流行している場合は、1回接種でもかなりの効果が期待できます。
低年齢児では、2回接種が望ましい。9歳以上は1回でもよいという意見もあります。
前年度2回接種している場合は、翌年1回接種でもある程度効果があります。ウイルス型が異なる場合は、効果が落ちることが予想されます。
卵アレルギーがあるのですが。
インフルエンザワクチンにはわずかに卵の成分が含まれています。卵を少しでも食べるとアレルギー症状がでる人は接種しない方がよいでしょう。
インフルエンザワクチンの副作用が怖いのですが。
現在のHAワクチンは副作用が少ない安全なワクチンといわれています。
接種後30分以内に起こるじんましん、喘息様症状などがまれにあります。接種後30分は医院またはすぐに来院できるところにいましょう。
2-3日以内に注射部位のはれ・発赤、発熱・頭痛などを認めることがあります。
インフルエンザワクチン接種によって、インフルエンザ脳炎・脳症を防ぐことができるのですか。
完全に防ぐことができるという証明はありません。かなり予防できるのではないかといわれています。
インフルエンザは高熱がでますがどうしたらよいですか。
栄養と安静が一番重要です。頭や頸部、脇の下、鼠徑部などを冷やしてあげてください。
インフルエンザにかかったら、非ステロイド性の解熱剤を使用してはいけません。小児に使用できる解熱剤はアセトアミノフェン(カロナールなど)しかありません。ジクロフェナク(ボルタレンなど)やメフェナム酸(ポンタールなど)などの非ステロイド性解熱鎮痛剤によって、インフルエンザ脳炎・脳症による死亡率が上がることが証明されています。
私たちの周りには情報機器があふれています。テレビ・ビデオ、パソコン、ファミコン、ゲームボーイ、携帯電話など。これにいかに対応するかはかなり悩ましい。
テレビを見すぎる私たち
テレビを見ていると、スイッチをなかなか切ることがでません。切ってしまうとほっとすることがありませんか。まるでテレビに魅入られたようになってしまいます。このとき脳波をとるとアルファー波になっているといわれています。つまり、脳は目をつむったときと同じようになっているわけです。テレビを見るとき脳は休んでいるのと同じ状態です。
子供はテレビをみて言葉を覚えるのではありません。記号として入ってくるだけです。
そればかりか、テレビをみていると悪い影響があると言われるようになってきました。多動症(ADHD)、言葉遅れ、自閉的傾向などの原因または誘因になっているのではないかということです。
テレビで言葉遅れ
テレビをみているとなぜ言葉の発達が遅れるのでしょう。これは僕の想像ですが、テレビでは対話がないからということが一つです。一方的に話されたのでは、言葉を覚えません。繰り返し何回も応答して覚えてゆくのです。
テレビによる言葉遅れは一日のテレビをみる時間やテレビが付いている時間に関係があります。テレビが付いていると、親が子供に話しかけることが少なくなるでしょう。親になったら、子供が寝てしまうまでは子供の相手をしたり、本を読んだり、遊んだりしてあげてほしい。テレビは消して下さいね。
テレビを見過ぎると多動に
最近、学級崩壊が大きな問題になっています。45分間の授業を最後までじっと先生の話を聞いていることができないのですね。先生は落語家のように毎日楽しい授業をすることはできません。勉強というのはいつも楽しくというわけにはゆきません。
テレビは人の興味を引きつけることに努力しています。場面を素早く変えること、珍しい風物、音楽、破壊的、暴力的画面などによって何とかして視聴率を上げることに力を入れています。
テレビ・ビデオに馴れた子供には、先生の授業はおもしろくありません。じっとできない子供は授業中に徘徊することになります。これがきっかけで教室中が騒々しく収拾できなくなることが想像されます。テレビ漬けが学級崩壊の一因になっていると思われます。
情緒障害も
最近自閉症児が増えているといいます。自閉症という病気は、対人関係がなく、言葉の発達も著明に障害される治りにくい病気で、自閉症児は元々そんなに多いはずはありません。1万人に4-5人といわれています。
自閉的傾向もテレビを長時間見る子供に多いと言われています。テレビを見る時間が多いと、人間的な接触が少なく情緒やコミュニケーションの発達に障害が起きるのでしょう。
自閉的傾向の子供がテレビを見なくなると3、4ヶ月で少し話すようになり、表情も豊かになってくるという報告があります。
3歳未満児にはテレビを見せないように
小児科学会が子どもにテレビを見せないように提言しました。これには賛成意見もありましたが、「テレビなしでは生活できない」というような反対論もありました。でも、テレビを見ながら授乳するお母さん、ベビーの目を見ながら授乳してくださいね。
現実とテレビ(仮想現実)との区別ができない乳幼児に仮想現実を見せることに積極的な意義があるでしょうか。しかも、テレビは暴力や破壊などの内容の悪いものが多い。3歳未満の子どもにはテレビ・ビデオを見せないように。小児科医からの強い希望です。
登校・登園停止期間
学校保健法による登校停止期間は、細菌学的・ウィルス学的根拠によって決めているのではありません。
患児本人の安全と周囲への感染の防止を考慮して、臨床的に決めています。従って、登校できるようになったからといって、完全に感染しないという状態ではありません。
治癒していても排菌
たとえば、溶連菌感染症では、溶連菌(溶血性連鎖球菌)は口腔内常在菌であり、集団の中には一定の比率で常在しています。一旦流行すると拡大しますが、流行が治まっても溶連菌保持者(健康保菌者)はいます。
カンピロバクター腸炎やサルモネラ腸炎は小児で多い細菌性腸炎ですが、下痢が治ってからも長い間菌を排出していることが分かっています。完全に下痢が治ってから登園させても、被感染者は出て来る可能性があります。手洗いとか便の始末をしっかりすることが重要です。
厳密な登校停止期間は決められない
一般に、感染症は発病直前と発病後数日が最も感染力があります。
発病後すぐ登校停止させてもすでに被感染者はいるわけです。厳密に登校停止させても誰かが発病してしまいます。登校停止はあくまでも本人の安全と病気が一挙に拡大するのを防ぎ、感染者数を減らすことにあります。
以上のような理由から、決められたとおりにしていても、被感染者は出ます。学校・園にとっても家族にとっても納得できる登校・登園停止期間が合理的です。