果物はなぜ美容と健康によいか

▼果物は老化や癌を予防する
 厚生労働省、農林水産省の食事バランスガイドによると、1日に野菜は350g、果物は200g食べるのがよいそうだ。果物200gは、みかん2個、リンゴ1個くらいです。
 果物には、ビタミンC、カロテン(ビタミンA前駆物質))、ビタミンEなどいずれも抗酸化成分がふくまれています。
 ビタミンCは、水溶性で、組織水分中の活性酸素を中和し、ビタミンAやEは脂溶性で、脂肪成分中の活性酸素を中和します。つまり、果物は老化や発がんを促進する組織中の活性酸素を中和してくれるのです。果物は動脈硬化予防にもよいと言われています。
▼果物を食べると太るか
 果物は、果糖、ブドウ糖、しょ糖などを含む。そのため太ることを心配して敬遠する人がいます。しかし、糖尿病や脂肪肝などの糖質を制限しなければならない人を除けば、抗酸化物質や食物繊維を手軽に取れるので、食べた方がよい。又、果物を取る方が太りにくいという研究発表もあります。
 みかんは、ビタミンC、食物繊維が多く、健康と美容におすすめ。和歌山の新鮮なみかんをたくさん食べましょう。こどもはバナナを好むが、糖質が多いので多く食べない方がよいと思います。

ジュースなどに入っている「果糖液糖」ってなんですか

注目

コーラなどの清涼飲料に入っている糖分で、異性化糖(別名「ぶどう糖果糖液糖」「果糖ぶどう糖液糖」)とよばれる「天然」甘味料を知っていますか。肥満や糖尿病などの原因になる言われています。
「ぶどう糖果糖液糖」・・・果糖含有率(糖のうちの果糖の割合)が 50% 未満のもの。
「果糖ぶどう糖液糖」・・・果糖含有率が 50% 以上90% 未満のもの。
「高果糖液糖」・・・・・・果糖含有率が 90% 以上のもの。
この果糖液糖は、トウモロコシなどのデンプンからブドウ糖と果糖を作成して、混合したもので、原料は天然ですが化学的に造ったものです。ですから果物に含まれている果糖とは全く別物だと言ってよい。
果糖は満腹感をあまり得られないという特徴があります。砂糖より果糖を多く含む異性化糖には、中毒性があり飲み過ぎになる恐れがあるのです。
ブドウ糖は摂取すると血糖が上がり、満腹感がありますが、果糖は、ほとんど肝臓に貯蔵され中性脂肪に変わります。満腹感がなく、低温で甘みが強くなり、飲みやすい。
清涼飲料の成分表をよく見てください。「果糖液糖」が入っているものは飲み過ぎる危険があり、子供には勧められません。

適量のアルコール摂取でも脳に悪影響

適度な飲酒であっても、海馬の萎縮など脳に有害な影響があることが分かった(海馬は脳の一部で、記憶に重要な働きをしている)。英国のグループの発表。
適量のアルコール摂取が脳の構造や機能になんらかの影響を及ぼすかどうかを検討した。対象は英国の2012~15年に脳MRI検査を受けた男女550例(登録時の平均年齢43.0歳)。30年間にわたって収集したデータから、1週間のアルコール摂取量(1単位はアルコール8g、アルコール度数5%のビール200mL相当)と認知機能との関係を解析した。
主要評価項目は海馬萎縮、灰白質密度、白質微細構造などの脳の構造の変化と、研究期間中の認知機能低下およびMRI検査時の認知能力とした。
検討の結果、追跡30年間のアルコール摂取は用量依存的に海馬萎縮のリスクと関係していた。アルコール非摂取群と比較した海馬萎縮のリスクは、週30単位以上の多量摂取群で最も高かった(P≦0.001)。また、週14~21単位の適量摂取群であっても右側海馬の萎縮リスクが3倍以上高く(P=0.007)、週1~7単位未満の少量摂取群に関しては保護的効果は認められなかった。さらに、アルコールの多量摂取は脳梁の微細構造の変化や言語流暢性の急速な低下とも関係していた。
かわらの小児科コメント
毎日、ビール1缶くらいまでは、脳に悪影響はないが、毎日2本以上になると脳の構造や認知機能などに悪い影響があるということです。沢山飲むほど悪いとのこと。お酒はほどほどにしておきましょう。

妊娠したら、お酒は飲まないで!

小頭症、知能障害、発達障害を起こすかも
妊娠中にお酒を飲むと、小頭症、知能障害、発達障害などを起こす可能性があります。これを、胎児性アルコール・スペクトラム障害といいます。
カナダの研究者らが調査したところ、毎年、妊娠中にアルコールを摂取した女性13人あたり1人が胎児性アルコール・スペクトラム障害児を出産しているということが分かりました。世界中で毎年63万人超の胎児性アルコール・スペクトラム障害児が出生しているとのことです。
妊娠したら、お酒を飲んではいけません。

O157、食品15分放置で菌2倍 感染者、夏に急増

O(オー)157などの腸管出血性大腸菌は気温が上がると増えやすく、食中毒の発生は夏に多い。国立感染症研究所によると、今年に入り今月13日までに報告された感染者は1696人で前年同期と比べ72人増。ここ3週は急増し毎週200人超の感染が報告されている。
厚生労働省によると、O157感染の原因とされた食品は牛肉やサラダ、メロン、漬けものなど様々。菌が付いた食べ物を食べるなどで感染する。主な症状は腹痛や下痢。まれに腎臓や脳に障害がでるなど重症化し、死に至ることもある。
今回、ポテトサラダを食べた人が食中毒になったことについて厚労省の担当者は、「あまり聞いたことがない」。食中毒にならないためには「菌を増やさないこと」が重要という。調理済みの食品を買った場合、店に備えてある氷などで冷やして持ち帰り、すぐに冷蔵庫に入れたほうがいい。室温で放置すると、15分ほどで菌は2倍に増えるとされる。

かわらの小児科コメント
食中毒は食品中の細菌を食べることで起こる。食中毒菌が多いのは肉類である。牛、豚、鳥いずれも菌が付着していることが多い。従って、肉を生で食べるのは危険だ。生レバーや馬刺しをおもしろがって食べたりすると感染してしまう確率が高い。子供が食べてよく起こるのは、ハンバーグだ。肉をミンチにした時、表面の菌が中に入って十分火が通ってないと菌が生きていて感染してしまう。まな板や包丁の洗浄、手洗いをしっかりしましょう。
焼き肉、バーベキューもしっかり火を通さないと危険。肉を触った箸などなめないようにしましょう。2017/09/13

喫煙率18・2%で過去最低 JT調査             2017年7月28日

日本たばこ産業(JT)が27日発表した2017年の「全国たばこ喫煙者率調査」によると、男女合計の喫煙率は前年に比べ1・1ポイント減の18・2%で過去最低となった。喫煙人口(推計)は1917万人で、調査開始以来、初めて2千万人を割った。
調査によると、喫煙率は男性が1・5ポイント減の28・2%、女性は0・7ポイント減の9・0%だった。JTは高齢化の進展や、健康意識の高まりが影響していると分析している。
今年5月に全国の男女約3万2千人に郵送方式で調査を実施。有効回答率は61・9%だった
かわらの小児科コメント
禁煙は世界の潮流です。喫煙者は先進国では減り続けています。

おたふくかぜで難聴、2年間で336人

子供を中心に流行するおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)にかかり、一時的なものも含め、難聴となった人が2年間で少なくとも336人いることが5日、日本耳鼻咽喉科学会の調べで分かった。全国調査で規模が明らかになるのは初めて。同学会は「静観すべきではない」として、ワクチンの定期接種化を厚生労働省に要望するようだ。
同学会は今年2月から、全国の耳鼻科約5600施設を対象に(回答率64%)、平成27年から2年間のおたふくかぜの難聴への影響について調べた。
難聴になった336人中、約8割の261人が高度の難聴になった。両耳とも難聴となった14人中11人が日常生活に支障があり、補聴器や、人工内耳が必要であった。
特に子供が多く、難聴になったのは、10歳未満が151人、10代は69人で、未成年者が65%を占めた。
日本は先進国で唯一、ワクチンが定期接種化がされていない。接種率は30~40%と低く、園や学校での流行の原因となっている。
ワクチンの定期接種化を進め、難聴にならないようにしたいものだ。難聴にならないためにワクチンは可能だが、自己負担が必要だ。日本のおたふくかぜワクチンは、ワクチンウィルスによる無菌性髄膜炎になることがある。1000人から2000人に一人くらい。接種医と相談する必要がある。