広島県福山市特別養護老人ホームで6名が死亡
このニュースでパニックになっている保育園や幼稚園があります。当院外来でも、下痢のこどものお母さんが大変心配そうに「ノロウィルスではないでしょうか」ときくようになりました。
ノロウィルス感染による嘔吐下痢症は多くは軽症で、死ぬことは滅多にありません。今冬、嘔吐下痢症は多いですが、こどもで死んだという話は聞きません。米国での死亡率は10万人に1人ということです。
食品を媒介とする食中毒
貝類を生で食べると感染します。こども・老人には生ガキを食べさしてはいけません。人から人へ感染もするようです。接触感染(便や吐物を触った手指から経口感染)するので注意が必要です。
この数年に250件前後、約1万人の報告あり、決して少なくありません。ウィルスの検出ができるようになったので今後はもっと増えるでしょう。現在は、保険がきかないので検査料は高額(12000円くらい)です。
症状は嘔吐、下痢などで、ひどければ脱水になるでしょう。症状が治まっても2-3日は感染するようです。感染すると抗体ができるが、6-8ヶ月で消えるので何度も感染する可能性があるそうです。
消毒方法
アルコールには強く、逆性石けんは無効です。85度以上、1分以上で不活化します。
次亜塩素酸ナトリウム(ミルトンなど)に浸すと失活します。
予防は手洗い
石けんでよく手を洗うことが重要です。タオルを共用しないようにしましょう。吐物は、素手で触らないで、塩素系消毒薬を薄めて拭き取る必要があります。下痢や嘔吐などの症状のある調理従事者は、食品を取り扱わないようにしましょう